当中央会は、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(以下「酒類行組合法」という。)に基づく団体として、酒税の保全に協力するとともに酒類卸業界の共同の利益を増進するため、@酒類の商品特性に係る社会的養成への対応、A酒類販売業免許制度の堅持、B公正な取引環境の推進、C組合員企業の経営近代化事業への取り組み支援等を主な事業として実施している。
1 酒類に対する社会的管理要請への対応
近年、未成年者飲酒の防止や飲酒運転に対する罰則強化等の動きに見られるように、致酔性
飲料としての商品特性を有する酒類に対して社会的管理の要請がますます高まってきている。
一方、国連の専門機関である世界保健機関(以下「WHO」という。)においても、「アルコールの
有害な使用を低減するための世界戦略草案」が低減され、平成22年5月のWHO総会において採
択されることになっている。
このような中、平成21年10月には、酒類の社会的管理体制のあり方について酒類卸売業者とし
ての考え方や提言を取りまとめた小論、「これからの時代の酒類事業のあり方(改訂版)」(以下「
新ビジョン」という。)を刊行するとともに、その普及・実行に向けて行政や他の酒類業団体とも連携
して取り組んでいくこととする。
また、現行の酒税法と酒類業組合法について、新ビジョンの提言の趣旨にそって再構築し、食の
安全・安心の確保、資源・環境への配慮、酒類業界の健全な発展と酒税の保全等の施策を包括し
た新しい酒類事業の理念に基づく、「酒類事業法(仮称)」の実現に向けて調査・研究を行う。
4 免許制度の堅持
酒類販売免許制度は、国の重要な財政物資である酒類に対する高率な酒税を確保するとともに
致酔性飲料である酒類の適正な流通のための不可欠な制度であり、酒類販売業者がその社会
的責任を果たすためにも堅持する必要がある。
なお、「酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法」が、平成18年8月をもって期限切れ
となったことに伴い、酒類販売業小売免許の需給要件が全面的に廃止されたが、卸売免許につい
ても、規制緩和の一環として今後の検討課題となることも考えられるので、行政当局等と十分に意
思の疎通を図り、現行免許制度の必要性を訴えていく。
3 公正取引の推進
平成17年1月からのビール・発泡酒等のオープン価格制度の導入を受けて、卸売業界としては、
仕入価格に販売経費及び適正利潤をオンするいわゆる「コストオン方式」による納価決定(以下「
新取引制度」という。)の定着に取り組んでいる。新取引制度により生販三層を通じた酒類の価格
体系は大幅に改変されることとなったが、酒類の価格形成過程をより透明化し、酒類流通市場の
健全化に資するところが大きいとの立場から、その完全実施に向けて積極的に取り組んでいる。
なお、平成18年8月に国税庁から発出された、「酒類に関する公正な取引のための指針」(新指
針)は、@酒類の財政物資及び致酔性飲料としての配慮がより強調されていること、A他の商品
の販売による利益を酒類の廉価販売の原資とする販売方法は弊害が大きいと談じたこと、B全酒
類事業者が的確な需給見通しに基づき適正生産が必要であるとしたこと、C優越的地位にあるも
のの濫用行為をより具体的に明示したこと等が盛り込まれ、行政が実施する取引実態調査の積極
的展開と相俟って、公正取引の推進に向けたものであることから、この定着に最大限の努力を傾
注していく。
また、昨年6月には、際限のない低価格競争に歯止めをかけるべく独占禁止法が改正され、12月
には同法の運用の透明性を一層確保し、事業者の予見可能性をより向上させるため、「不当廉売
に関する独占禁止法上の考え方(不当廉売ガイドライン)」お呼び「酒類の流通における不当廉売
差別対価等への対応について(酒類ガイドライン)」(以下「不当廉売等ガイドライン」という。)が改
訂され、平成22年1月から施行となった。
今回の独占禁止法の改正で、卸売業界の悲願であった不当廉売等に対する課徴金制度が設け
られるとともに、不当廉売等ガイドラインにおいて、課徴金の対象となる不当廉売の認定基準であ
る「可変的性質を持つ費用(廉売対象商品を供給しなければ発生しない費用)」の具体的内容が
明示され、仕入価格だけでなく仕入経費や販売費(センターフィーを含む。)の一部も含まれること
となった。
これに伴い、当中央会が平成19年6月に刊行した「独占禁止法マニュアル」に、独占禁止法等の
改正・改定点等を織り込んだ改訂版を平成22年3月に刊行するとともに、研修等を通じて周知徹底
を図り、もって公正取引の推進に取り組んでいくこととする。
4 経営近代化事業への取組み
酒類卸売業界を取り巻く環境が激しく変化していく中で、中小の地場卸売業者が事業を維持・発
展していくためには、地域に密着した特色ある経営近代化事業に積極的に取り組み、地場卸機能
を大いに発揮することが何よりも重要である。このため中央会としては、中小企業支援関係法令に
基づく各種の経営近代化事業等への自主的な取り組みを支援していくこととしている。
また、流通システムの進展に伴って、卸機能の一層の高度化が喫緊の課題となっていることから
ローコストオペレーションをはじめ、種類卸売業者にとって事業規模の大小を酔わず普遍的なテー
マに着目した研修にも力を入れていくこととしている。
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